1996年入社開発本部 技術センター 開発部 副部長O.Y
「まだない製品を生み出すこと」が私の使命。
イワキのポンプ開発を支えた30年と、未来への挑戦。
PROFILE
- 1996年:株式会社イワキ入社
埼玉工場技術本部にて電磁定量ポンプ担当
2021年:技術センター開発部に異動
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イワキでのこれまでの歩みについて教えてください
30年近いキャリアの中で様々な業務を経験してきました
入社は1996年です。大学では電子関係を専攻しており、就職活動中はさまざまな企業を検討しました。イワキを選んだのは、大学教授から薦められたためです。民生品メーカーと迷いましたが「産業機器メーカーとしての安定性」「産業の下支えをしている将来性」に魅力を感じ、最終的にイワキに決めました。
入社当時は旧技術センターでセンサー関係の開発業務に従事。その後、埼玉工場技術本部に異動し、電磁定量ポンプ担当として、特注設計やOEM設計などの定型業務のほか、生産設計(製品化)業務を通じてポンプ・周辺機器の新製品を立ち上げてきました。2021年に、埼玉工場から現技術センターへ異動して、 研究開発が中心業務となりました。現在の業務の全体像で言うと「開発部内の全体業務管理・プロダクトアウト製品の推進・コア技術の構築」となります。
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長く携わった製品などはありますか
長らく電磁定量ポンプの開発を担当していました
30年近いキャリアを通じて、私は長らく電磁定量ポンプの開発に従事しました。電磁定量ポンプとは、電磁力によってダイヤフラムの往復運動を発生させて、液体を定量的に移送するポンプです。主に水処理関係で使用されていて、全国のスーパー銭湯・温泉施設・プールをはじめ、さまざまな場所で当社のポンプが活躍しています。
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業務経験を通じてどのような知見が得られましたか
現場対応を含む幅広い業務経験で、開発の視点が広がりました
開発の各ステージで、幅広い業務を経験してきました。「要素開発、量産試作、生産設計、そして製品化後の特注設計やOEM設計」まで、それぞれのステージで異なる課題や求められるスキルがあり、多様な経験を積むことができました。
製品の立ち上げでは、部品の製作がうまくいかないケースや、設計値通りの性能に満たないケースも珍しくありません。そんな時は設計の見直しや改良、関係者との打ち合わせで解決に導いてきました。
また、新しいポンプの開発では「ユーザーの使い勝手をイメージすること」が、非常に大切です。これは、埼玉工場時代に携わった現場対応から学びました。全国各地のお客様先を訪問し「実際の現場で製品がどう使われているか」「どのような問題が発生するか」を肌で感じ、実際に、実験室でのテストでは想定できないような環境や想定外の使われ方をされているケースも目の当たりにしました。
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得られた知見をどのように活かしているかお聞かせください
製品開発で「現場に即した工夫」を盛り込むようにしています
実際の現場を見てきた経験は、その後の開発業務に活かすようにしています。特に、埼玉工場の製品開発部門の実行責任者として、多くの製品を立ち上げた際に役立ちました。現場経験のない担当者が設計した製品には、現場での使い勝手や互換性が考慮されていないケースがあります。私は経験に基づいて、盛り込むべき要素を提案し、製品開発に活かすことができました。
単に要求仕様を満たすだけでなく、現場の状況を理解し、現場に即した工夫を盛り込む。これによってお客様に感謝していただいたり、関連部門から頼られたりする時などは、大きなやりがいを感じます。
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キャリアの中で、印象的だった出来事はありますか
ドイツの見本市への発表を目指し、チーム一丸で取り組んだ開発プロジェクトが印象的でした
2018年にドイツで開催されたアヘマ展(ACHEMA)での新製品発表が印象的でした。アヘマ展は、世界最大級の化学機器展です。この展示会に向けて、新製品となる直動ダイヤフラム式の制御定量ポンプ「IX-B」を開発するプロジェクトを率いました。
プロジェクトのスタートが2013年で、製品化を立ち上げるステージが2016年です。そのタイミングで、私は係長から課長に昇進しました。課全体を統括しながら、自らも開発の一部を担当するプレイングマネージャーとしてプロジェクトを推進しました。
開発期間は約5年にも及び、機械的要素の開発、ポンプの制御部分の開発、そして電子回路の開発など、さまざまな要素を統合し、製品として完成させる必要がありました。最終局面では困難な課題もありましたが、チーム一丸となって取り組み、無事展示会に間に合わせることができました。
アヘマ展では、現地の営業担当に製品講習を行い、初めて製品をお披露目しました。現地の反応を直接感じることができ、大きな達成感を得るとともに、開発者としての責任とやりがいを改めて実感しましたね。
このように、埼玉工場にいた5年間はIXシリーズの開発に注力して、現技術センターに異動後もそれに関わる要素開発は続けています。
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部下やチームをどのように成長させたいですか
将来のイワキをリードし、社会に貢献できる人材に育ってほしいです
部下の育成では、よく話を聞くことを大切にしています。たとえ間違っていることがあっても、頭ごなしに否定するのではなく「なぜそう考えたのか」「どのような意図があるのか」を理解しようと努めています。より良い方法や考え方がある場合は、直接的に教えるのではなく、私からの質問や提案を通じて、自ら考え、答えを導き出してもらうようにしています。
開発部の平均年齢は37歳と比較的若く、将来を担う人材が多く在籍しています。彼らが明るい未来を築けるよう、より働きやすい環境づくりやモチベーションを高める仕組みづくりについても考えていきたいです。何事にもあきらめずにチャレンジする精神を持って、イワキをリードし、社会に貢献できる人材に育ってほしいと願っています。
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今後、イワキが目指すべき方向性についての考えをお聞かせください
イワキならではの知見を活かし、新たな価値創造を通じて、さらに社会貢献していくべきと考えます
社会は常に変化しており、エネルギー問題や環境問題への意識も高まっています。イワキはこれまで培ってきた流体制御機器の知見を活かし、今後必要とされる技術やサービスを捉えて、これらの変化に対応していく必要があるでしょう。時には既存の製品の形や機能にとらわれず、新しい発想で製品開発に取り組むことも重要です。
開発部は、世の中にない新しい製品を生み出すという使命を担っています。市場のニーズだけでなく、将来の社会変化(一部素材の規制強化など)を見据え、イワキだからこそ提供できる価値を創造していくことがミッションです。私は開発部の一員として、アイデアや想像を形にして、内在する問題を解決していきたいと思います。そして、業界の常識や当たり前を変える、新しい製品や技術の開発に貢献したいと考えています。
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最後に、求職者の方にメッセージをお願いします
やりたいことにチャレンジできる、人とのつながりを大切にする会社です
ケミカルポンプは表舞台に出ることは少ない製品ですが、さまざまな産業を支える重要な役割を担います。実際に私自身、友人たちから「職場でイワキのポンプを使っている」と何度も聞きました。
専門分野にとらわれず、さまざまなことに挑戦できる環境が、イワキの魅力です。学生時代に電気を専攻していた私も、入社後、機械設計の業務に長く携わり、さまざまな業務にチャレンジできました。専門外の分野でも、OJTや外部講習、自己学習などを通してスキルアップできる機会が豊富です。実際に、イワキには、やりたいことがある方・やる気のある方が、チャレンジできる風土があります。「社会の発展に貢献したい」「失敗を恐れずチャレンジしたい」という方は、ぜひイワキを活躍の場として考えてみてください。お待ちしています。
1日のスケジュール
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8:30
出社
作業服へ着替え、1日のスケジュールやメールの確認 -
8:45
始業
ラジオ体操、朝礼 -
9:00
ミーティング
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12:00
昼食
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12:50
進捗確認
各プロジェクトからの報告や相談の確認 -
15:00
ミーティング
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16:00
進捗確認
プロジェクトの進捗取り纏め -
17:15
終業